特定非営利活動法人「ふくしま支援・人と文化ネットワーク」


2012.12.24

学生たちの関心は?明治学院大でチェルノブイリ視察と福島の現状を報告

 12月17日、明治学院大学国際学部(横浜市戸塚)の齋藤百合子教授の授業で、当NPOの郡司事務局長がチェルノブイリ視察と福島の現実、そしてこれからのことについて話をしました。1~2年生25人が真剣に話を聞いてくれました。今、福島の情報も少なくなり、関心も薄れてきましたので、福島や原発被害を理解する良い機会になりました。
 学生たちからは「時が経つにつれて、かつて起きたことを忘れてしまう。3.11のことも忘れかけていた。そのことを恥じる。今日の講義はそのことを思い起こさせてくれた」「原子力は環境にやさしいと思っていた。でも原発は一度事故を起こせば大惨事になる。結局、原発は他の発電方法よりも危険な方法だった。原発による電力はいらない」などの感想が寄せられました。

以下は、授業の後、学生たちから寄せられた感想の一部です。

 1.今日の講義の感想
●岩手のことは知っていたけど、福島の現状については知らなかった。この講義で知ることができてよかった。親が子どものときに被爆していた影響が子どもに出ることに驚いた。もっとこれからも福島のことを知るべきだと思った。
●講義の前は原発のことは私にとって関係ないと思っていた。でも今日の講義で考えを変えた。チェルノブイリは26年前に起きたことなのにまだその影響がある。とくに子どもたちが放射能の影響を強く受けていることを知って驚いた。この問題は人ごとではなく、自分が気を付けないと次世代の子どもに影響するかもしれないと心配になった。また今日まで福島の人々が置かれた状況を知らなかったし、関係ないと思って知ろうとしなかった。でもこの問題は人ごとではないことがわかった。
●「除染は無意味。放射能は放射され続けているのだから」という言葉が印象的。福島の人々の現状を知らなかった。
●時が経つにつれて、かつて起きたことを忘れてしまう。3.11のことも忘れかけていた。そのことを恥じる。今日の講義はそのことを思い起こさせてくれた。
●福島で起きていることを本当に知らなかった。障害を持つ人、ようやく移住地を見つけてこれから移住しようとする人に対する支援が打ち切られることはひどいと思った。また放射能の影響は長く続くのだと学んだ。私たちは情報をきちんと得る必要がある。政府はこの問題は福島だけのことにしようとしているけど、これは自分たち、日本人全体の問題である。
●今日の講義ありがとうございました。郡司さんたちの福島支援NGOが放射能の影響があるにもかかわらず再生、再構築を願って設立されたことに驚きました。困難なこともたくさんありながら、それに対して立ち上がり、グループとして活動されていることに敬意を表します。
●福島で起きていることを聞いて驚いた。想像していたよりもひどい状況だった。郡司さんの姪さんとその子供さんのメッセージは具体的だった。多くの地図や写真などのプレゼンは大変印象的でわかりやすかった。でも3.11で発生したことに関して私は何もできない。
●チェルノブイリのことは少し知っていた。今日の講義で福島のことを知った。1年半が過ぎてマスコミも被災地や3.11を取り上げなくなり、忘れかけている。しかし福島では支援が必要とされている。もっと関心を払うべきだ。
●チェルノブイリの話は興味深かった。とくに子供のことは悲しい出来事だった。もっと世界は原発よりも幸福を追求するべきだ。
●目が開かされる思いだった。今日の講義は聞けてよかった。政府広報の放射能の情報に関しては注意すべきと思った。
●放射能の健康被害は次世代にも続くことを認識した。放射能問題がこれほど深刻であることを初めて認識した。私たちが幸せに生きていることに感謝する。その一方で被災した人に関心を払うことが必要だとおもった。
●神奈川県には米軍基地があり、楽観できないことをしった。

 2. どんな行動が必要だと思うか
●もっと問題を知るべき。また政府は危険情報も公開すべき。政府にしかできないこともたくさんある。
●ボランティアに行く時間はないけど、インターネットなどで得た情報を広めて行くことはできると思う。
●福島のことを知ること。福島のためにボランティアをすること。
●これまで何の行動も起こしてこなかった。でも福島のことを知った以上、学生は福島にいって休み中にボランティアをすることが必要だと思う。
●募金。原発稼働反対。
●正しい情報を得ること。情報操作されたメディアが飛び交っているが、福島の人々から状況を知ることが必要。
●放射能の情報に注意するべき。もし自分の子どもが生まれたら健康チェックはする。
●被災地に注意を払わなければならない。情報を得る必要がある。
●福島の人たちとつながること。私の親族も友人も福島出身者はいないけど、でも福島の人を支援したい。そして福島の人が横浜に来たときには快適な空間を提供したい。
●福島で起きている放射能のことを周りの人に伝えること。募金など福島の人のために何か支援をすること。
●ホットスポットを特定することそして対処すること。
●3.11とチェルノブイリを忘れないこと。子供の健康診断を受けさせること。

 3. 考えや生活が3.11以降変化したか
●生活は変化していない。でも原発に関する認識は変わった。
●生活は変わっていない。でも地震や津波、原発事故についての考えは変わった。日本は地震国なのだから、地震に慣れてしまっているけれど、もっとその危険性を認識するべき。そして原発事故の危険をもっと知り、それを避ける努力をすべき。
●3.11前は原発事故を想像していなかった。しかし政府もマスコミも団体もその影響を把握していない。もっときちんと情報を把握すべきだと思った。
●横浜は被災しなかった。しかし、いつ関東で大きな地震があって原発事故が発生するかもしれない。そのことに備えるべきだと思う。
●節電するようになった。赤十字で募金活動をした。横須賀に原子力の危険性が潜んでいることを知らなかった。
●変わった。復興支援金の使い途について政府の方針に疑問をもっている。
●地球の威力は巨大であること。被災地支援に参加した経験があり、現地入りすることも容易でないことを知っている。しかし福島の人のためにリサイクルや募金など、小さなできることから行動をしたい。
●ニュージーランドの友人から日本は大丈夫かとよく聞かれる。世界の人が注視している。だから原発を廃炉にすべき。
●生活は変化していないが、考えは変わった。いつ何時この平和な時が終わるかわからない。家族や友人と過ごす幸せなことは当たり前ではなく特別なことだと思うようになった。
●岩手(吉里吉里)でボランティアをしていると子どもも大人も心理的な影響を受けていることを感じる。日本人として何が起きているのかきちんと知ることが大事だと思う。
●地震発生から3ヶ月は地震の影響があったが、その後は福島にも関連がないので3.11のことをだんだん忘れていた。
●原子力は環境にやさしいと思っていた。二酸化炭素を排出しないから。でも原発は一度事故を起こせば大惨事になる。結局、原発は他の発電方法よりも危険な方法だった。原発による電力はいらない。