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2012.08.08
いわき市再生プロジェクト オーガニックコットン事業援農ツアー報告
いわき市では再生プログラムの一つとして、現地の人たちを中心に県外の人たちも力を合わせてオーガニックコットン(有機栽培綿花)づくりが始まりました。津波や地震被害のほかに、放射能汚染の問題が立ちふさがっている福島の中で、ようやく市民が動き出した事業です。
2012年3月に開催した援農・交流ツアーの第2弾として、8月4〜5日、オーガニックコットン畑の雑草取りを企画しました。無農薬のコットン作りですので、雑草は全て手作業で除去しなければなりません。作業の他に、現地の農家の人たちや、この事業を進めているNPO法人ザ・ピープルの吉田理事長との交流などもはかり、今後の福島の在り方について共に知恵を出し合いました。
8/4-5 オーガニックコットン畑で汗を流しました
猛暑が続く8月4~5日、いわき市の援農ツアーを実施しました。参加者は当団体の会員はじめ27人。今回は、神奈川総合産業高校福祉委員会の生徒5人と先生2人も参加しました。このツアーの目的は、津波被害と放射能問題でダメージをうけている農業の再生に取り組んでいるオーガニックコットン畑の雑草刈り支援です。この春から種をまき、今では26か所の栽培地でコットンの苗木が育っています。4日、朝8時30分出発した私たちは、12時30分にいわき市平の「スカイストア」に到着し、手作りのランチをご馳走になりました。その後、ストアの運営委員会委員長の松崎康弘さんとNPO法人ザ・ピープル理事長の吉田恵美子さんによる、いわき市の現状についてお話を聞きました。
松崎さんから「苦しい時、いわき市に来てくれた皆さんの勇気が、生きていく力になりました」とのお話があり、福島の人たちの辛さと生きていく厳しさを垣間みました。また、放射能に対しては、生産者自身が検査して数値を明らかにしていくシステムを確立していくことなどを話されました。
また、オーガニックコットン畑の土壌についても、筑波大学の支援を得て調査し、数値が安全の範囲であることも、吉田さんから報告されました。
お話の後は、さっそく身支度をして若者のグループが自主的に栽培している地域に向いました。
梅雨明けからいわき市には全く雨が降っていません。そのため、水の確保が課題となっています。炎天下、しかも一番暑い14時からの作業開始は、厳しい労働となりましたが、皆黙々と雑草を刈りはじめました。
開始から2時間弱。とうとう、若者の栽培地のオーガニックコットン畑は苗が一望できる状態になりました。
高校生も初めての経験にもかかわらず、汗を流しながら作業をしていました。
作業後は、満足感を味わいながら近くの温泉にひたり、汗を流しました。
また、4日夜は、小名浜港の大花火大会があり、花火を楽しみました。
翌日5日は、援農と磐城農業高校訪問に別れました。援農は、ザ・ピープルの栽培地です。推進している立場から、苗のフォローは後々になってしまい雑草に覆われた栽培地での作業は3か所、9~12時まで作業をしました。暑さとの戦いの3時間でした。
磐城農業高校は、3・11の地震よりも1か月後にいわき市を直撃した地震により、校舎は崩壊してしまいました。現在は仮設校舎で学校生活を送っています。毎日、崩壊している校舎を見ながら勉学する生徒たちの心を思うと、切なくなりました。
神奈川総合産業高校の福祉委員会のメンバーは、昨年、東日本震災の募金活動に取り組みましたが、思うように募金が集まらず、関心を持ってもらうにはどうしたら良いのか・・と悩んでいた時に、今回のツアーの企画を知り、参加しました。 福島のことを他人事ではなく、思いを馳せるために、9月28・29日の文化祭では、ツアーの報告やビデオを流しながら、いわき市の現状を報告するとのことでした。 磐城農業高校の窓口の草野先生と生徒2人が対応してくださり、文化祭に農業高校の生徒が参加する話までに至りました。農業高校で評判の高いイチゴジャムを試食・販売して、福島への関心を高めよう・・と話がとんとん拍子にはずみました。 これを機会に、福島の高校生と首都圏の高校生の顔の見える関係が築かれ、それが福島の若者の希望に繋がることを願い、学校を後にしました。
お昼は、現地の女性たちの手作りスープに疲れを取り、津波の被災地視察に移動しました。
メディアでは、被災地の復興のニュースが扱われているため、多くの人たちが復興されていると思われているかもしれません。しかし、津波の被災地に立ち、3・11以降遅々として進んでいない現状を直視し、多くの参加者が言葉を失いました。
今回の援農ツアーで初めて被災地福島を訪問した人たちは、今後も福島へ関心を持ってくれることでしょう。福島の人たちが孤立しないように、また互いに知恵を出し合っていくために今後も、当団体は首都圏と福島を結ぶ役割を果たしていきたいと思います。
秋には、綿摘みが待っています。